刑事事件について

刑事事件について

刑事事件は、法律に違反する行為(犯罪)を捜査し、加害者を起訴することで社会秩序を守るための手続きです。

交通事故や暴行、窃盗などのさまざまな行為が刑事事件の対象となりますが、加害者や被害者になった場合、それぞれの立場でどのように対応すべきかを理解しておくことが重要です。

本記事では、刑事事件の基本的な流れ、対応方法、注意点について解説します。

刑事事件の基本的な流れ

刑事事件は、以下の手順で進行します。

1. 犯罪の発覚と捜査

  • 被害届・告訴状の提出
    被害者や第三者が警察に被害届や告訴状を提出します。

  • 警察の捜査
    現場検証、証拠の収集、事情聴取などを行い、被疑者(一般的には「容疑者」と言われる場合が多いです。)を特定します。

  • 被疑者の逮捕(場合による)
    容疑が固まった場合、警察は逮捕状を請求し、被疑者を逮捕します。

2. 送検と起訴の判断

  • 検察への送致
    警察が捜査結果を検察官に送致します。このことを一般に「送検」と言います。

  • 起訴・不起訴の決定
    検察官が捜査により得られた証拠を検討し裁判に持ち込むか(起訴)、裁判にしないのか(不起訴)を判断します。

罰金の場合には、略式起訴と言って、正式な裁判を経ることなく罰金刑となる場合もあります。

3. 刑事裁判

  • 起訴された場合
    裁判所で刑事裁判が行われ、判決が下されます(有罪・無罪、刑罰の内容などが決まります)。

  • 不起訴の場合
    裁判は行われず、刑事事件としての手続きは終了します。

刑事事件における加害者の対応

1. 逮捕された場合の対応

逮捕されると、48時間以内に検察官に送致(「送検」といいます。)されるかどうか判断され、送検後24時間以内に勾留が必要か判断されます。勾留が決定すると、最大10日間(延長でさらに10日)拘束されることがあります。

対策

  • 弁護士を選任する
    速やかに弁護士を依頼し、面会(接見)を行い、今後の対応を相談します。

  • 供述の準備
    警察や検察での取り調べに対し、冷静かつ正確に供述します。場合によっては黙秘が必要なこともあるかもしれません。

2. 示談交渉の検討

加害者が示談を成立させ被害者の損害を賠償した場合には、検察官が不起訴にする可能性が高まる場合があります。

示談のポイント

  • 被害者の精神的苦痛や金銭的損害を補償する。
  • 弁護士を通じて被害者と交渉する。

3. 不起訴を目指す

不起訴となるためには、以下の点が重視されます。

  • 被害者との示談が成立している。
  • 犯罪を繰り返していないか。
  • 反省の態度を示している。
  • ただし犯罪の内容の軽重が最も大きいと言えます。

刑事事件における被害者の対応

1. 被害届や告訴状の提出

被害者は、警察に被害届や告訴状を提出し、事件化を求めることができます。

注意点

  • 事実を正確に記載する。
  • 証拠(写真、録音、目撃証言など)を添付する。

2. 加害者との示談の検討

被害者は、加害者から示談の申し入れを受ける場合があります。

示談を受け入れる際のポイント

  • 示談金が適切な金額であるか確認する。
  • 弁護士を通じて契約書を作成し、法的効力を持たせる。

3. 被害者参加制度の利用

被害者は、刑事裁判に参加して加害者に対する意見陳述や質問を行うことができます。

刑事事件の注意点

1. 弁護士を依頼するタイミング

刑事事件では早期に弁護士を依頼することが重要です。特に以下の場合は迅速な対応が必要です。

  • 逮捕された場合。
  • 示談交渉を行う場合。
  • 起訴される可能性がある場合。


2. 供述の重要性

警察や検察での供述内容が、事件の進行に大きな影響を与えます。

  • 嘘の供述は絶対にしない。
  • 記憶に曖昧な部分は無理に答えない。後から間違っていたことが明らかとなるくらいなら覚えていないと答えた方が良い場合もあります。

3. 示談書の作成

示談が成立した場合、示談書を必ず作成し、法的効力を確保します。

弁護士に依頼するメリット

1. 適切なアドバイスが受けられる

刑事事件の手続きや供述のポイントについて、的確な助言を得られます。

2. 示談交渉を円滑に進められる

弁護士が代理人として交渉することで、被害者の信頼を得やすくなります。

3. 不起訴の可能性を高める

示談交渉や反省文の作成を通じて、不起訴の可能性を高めます。

4. 刑事裁判の弁護が受けられる

裁判になった場合、量刑を軽減するための弁護活動を行います。

当事務所のサポート内容

当事務所では、刑事事件における加害者・被害者双方の支援を行っています。

加害者向けサポート

  • 逮捕後の早期釈放支援:勾留を回避するための弁護活動。
  • 不起訴に向けた対応:示談交渉や反省文作成のサポート。
  • 刑事裁判の弁護:量刑を軽減するための弁護活動。

被害者向けサポート

  • 被害届・告訴状の作成支援:事件化を目指すための書類作成。
  • 示談交渉の代理:適切な補償を受けるための交渉。
  • 被害者参加制度のサポート:刑事裁判での意見陳述や質問のサポート。

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