飲酒運転やひき逃げなどの交通犯罪は、重大な結果を引き起こす可能性があり、厳しい処罰が科されます。ただし、適切な対応を迅速に行うことで、処罰の軽減や再犯防止に努めることができます。
本記事では、交通犯罪で逮捕または起訴された場合の対応策や注意点について詳しく解説します。
このページの目次
交通犯罪の種類と刑罰
1. 飲酒運転（酒気帯び運転・酒酔い運転）
酒気帯び運転
- 血液1ml中のアルコール濃度が0.3mg以上または呼気中1ml中のアルコール濃度が0.15mg以上の場合に適用。
- 罰則：3年以下の懲役または50万円以下の罰金。
酒酔い運転
- 飲酒により正常な運転ができない状態での運転。酒気帯び運転のような基準となる数値があるわけではありません。
- 罰則：5年以下の懲役または100万円以下の罰金。
2. 過失運転致死傷罪
内容
過失運転（ハンドル操作のミス、わき見運転などの運転に必要な注意を怠った運転）の結果、被害者を負傷・死亡させた事件
- 罰則：7年以下の懲役若しくは禁固または100万円以下の罰金
3．ひき逃げ（救護義務違反）
内容
事故を起こした後、負傷者を救護せずその場から逃走する行為。
- 罰則：10年以下の懲役または100万円以下の罰金。
4. 危険運転致死傷罪
内容
飲酒運転や著しい速度超過など自動車を制御できない状態で危険な運転をした結果、死亡または傷害を引き起こした場合。
- 罰則：負傷した場合には15年以下の懲役、死亡した場合は1年以上20年以下の懲役。
飲酒運転やひき逃げ事件での対応策
1. 早期に弁護士を依頼する
交通犯罪の処罰を軽減するためには、専門家の支援が不可欠です。弁護士は法律知識を活用し、早期解決や処罰の軽減を目指します。
弁護士が行う主な対応
- 供述の指導：取り調べでの供述内容を助言し、不利な発言を避けます。
- 釈放の働きかけ：勾留回避や保釈の申請を行います。
- 被害者との示談交渉：被害者に対する謝罪と賠償を進めます。
2. 被害者への謝罪と示談を行う
ひき逃げや危険運転の場合、被害者がいるため、示談が処罰軽減の鍵となります。
示談のメリット
- 被害者が処罰感情を緩和することで、不起訴や減刑が期待できる。
- 示談成立は裁判官の心証を良くする。
示談の進め方
- 弁護士を通じて被害者と交渉する。
- 賠償金や謝罪文を用意し、被害者の理解を得る。
3. 反省と更生の姿勢を示す
裁判で量刑が決定する際、被告人の反省や更生意欲が重視されます。
対応方法
- 反省文の提出：自分の行為を振り返り、謝罪の意を裁判官に伝える。
- 交通安全講習の受講：再犯防止のための具体的な行動を示す。
4. 証拠の確認と主張の準備
検察側が提示する証拠に基づき、弁護方針を立てます。
主な弁護方針
- 事実関係の否定：飲酒運転やひき逃げの事実を否認する場合。
- 過失の程度を争う：過失の軽微性を主張し、刑罰の軽減を目指す。
減刑や不起訴を目指すためのポイント
1. 初犯であることを強調
初犯である場合、裁判官は再犯の可能性が低いと判断する傾向があります。
2. 被害者との示談成立
被害者が許している場合、検察官が不起訴処分とする可能性が高まります。
3. 反省の姿勢と社会復帰計画
- 家族や職場の支援を受けることで、更生の意欲を示します。
- 再発防止のための具体的な取り組み（アルコール依存治療など）を提示します。
飲酒運転やひき逃げでの注意点
1. 早期対応が重要
事件直後の対応が、量刑の重さに大きく影響します。弁護士に早期相談することで、不利な状況を避けられます。
2. 取り調べでの供述に注意
取り調べの際、不用意な供述が後の裁判で不利に働く場合があります。供述内容は弁護士の指導を受けて慎重に決めましょう。
3. 違法行為を隠さない
逃走や証拠隠滅を試みると、量刑がさらに重くなる可能性があります。
飲酒運転やひき逃げを防ぐための社会的な取り組み
1. アルコール依存症の治療
飲酒運転の背景にはアルコール依存症が隠れている場合があります。依存症治療を受けることで再犯防止に努めます。
2. 運転代行や公共交通機関の利用
飲酒後の運転を防ぐために、代行サービスやタクシーを利用する習慣をつけます。
弁護士に依頼するメリット
1. 不起訴や減刑の可能性を高める
弁護士が法的知識を活かして、検察官や裁判官に有利な主張を行います。
2. 被害者との示談交渉を円滑に進める
弁護士が仲介することで、示談交渉をスムーズに進められます。
3. 取り調べや裁判での適切な対応
取り調べや裁判での不利な発言を防ぎ、最善の結果を目指します。
4. 精神的負担の軽減
弁護士が法律手続きを全面的にサポートするため、本人や家族の精神的負担が軽減されます。
当事務所のサポート内容
当事務所では、飲酒運転やひき逃げ事件における以下のサポートを提供しています。
提供サービス
- 逮捕後の即時対応：取り調べへのアドバイスや釈放の働きかけを行います。
- 被害者との示談交渉：示談成立を目指し、被害者との交渉を円滑に進めます。
- 証拠の分析と弁護方針の策定：事件の状況を精査し、最適な弁護戦略を提案します。
- 裁判での減刑活動：被告人に有利な情状を主張し、執行猶予や軽い刑罰を目指します。
