性犯罪に関する刑事弁護の重要ポイント

性犯罪(不同意性交、不同意わいせつ、迷惑防止条例違反など)は被害者の人権を著しく侵害する重大な犯罪とされ、社会的制裁も含め厳しい対応が求められます。しかし、性犯罪は証拠が曖昧な場合や、事実認定が難しい場合も多く、誤解や不当な処罰を受けないためには、適切な弁護活動が重要です。

本記事では、性犯罪での刑事弁護の重要ポイントと具体的な対応策について解説します。

性犯罪の種類と刑罰

1. 不同意性交等罪(旧強制性交等罪・強姦罪)

内容

被害者が同意しない意思を形成・表明・全うすることが困難な状態で性交等(性交、肛門性交、口腔性交のほか膣や肛門に陰茎以外の身体の一部や物を挿入する行為)をした場合に成立。

刑罰

  • 法定刑:5年以上の有期懲役

2. 不同意わいせつ罪(旧強制わいせつ罪)

内容

被害者が同意しない意思を形成・表明・全うすることが困難名状態でわいせつな行為を行った場合に成立。

刑罰

  • 法定刑:6か月以上10年以下の懲役

3. 迷惑防止条例違反(痴漢・盗撮など)

内容

自治体により定められる条例によって規定される、痴漢、覗きや盗撮行為など。

刑罰

  • 各自治体の条例により異なるが、熊本県の場合は盗撮は1年以下の懲役又は100万円以下の罰金、痴漢、覗きの場合は6か月以下の懲役又は50万円以下の罰金

4. 児童ポルノ禁止法違反

内容

児童ポルノ(児童のわいせつな姿を写した画像や映像など)の所持、保管、提供、製造や陳列など。

刑罰

  • 法定刑:1年以下の懲役または100万円以下の罰金(所持・保管の場合)
    3年以下の懲役または300万円以下の罰金(提供・製造)
    5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金または併科(陳列・不特定多数の者への提供)

5. 性犯罪の累犯

性犯罪は再犯が問題視されることが多く、累犯の場合は厳罰化される傾向があります。

性犯罪における刑事弁護の重要性

性犯罪の弁護では、次の点が特に重要です。

1. 被疑者の基本的権利を守る

性犯罪は社会的な非難が強いため、被疑者の権利が十分に保護されない可能性があります。適切な弁護活動で公正な手続きを確保します。

2. 事実認定を争う

性犯罪は被害者の証言が重要視される一方で、物的証拠が乏しい場合も多いです。弁護士が証拠を精査し、事実関係を慎重に検討します。

3. 示談交渉を進める

性犯罪では、被害者との示談が不起訴や減刑に大きく影響します。弁護士が被害者との示談交渉を代理し、円滑に進めます。

4. 再犯防止策を提示する

再犯の可能性を低いことを示すことで、執行猶予や軽減判決を求めます。

性犯罪での対応策

1. 早期に弁護士を依頼する

性犯罪の疑いをかけられた段階で、すぐに弁護士を依頼することが重要です。弁護士が早期に介入することで、不利な供述や違法捜査を防げます。早期に示談が成立することで、早期の事件の終了を迎えられる可能性が高まります。

2. 取り調べへの対応

性犯罪の取り調べでは、被疑者の供述が重要な証拠となります。

取り調べの注意点

  • 黙秘権を行使する
    不利な発言を避けるために、必要に応じて黙秘します。
  • 事実と異なる供述をしない
    記憶に基づかない曖昧な供述や嘘の発言は避けます。
  • 弁護士に相談する
    取り調べ前後に弁護士の指導を受け、供述内容を確認します。

3. 証拠の精査と収集

弁護士が検察側の証拠を精査し、不利な証拠の排除や矛盾点の検討を行います。また、無実を証明するためや、被疑者側に有利に働くような事情の証拠を収集します。

4. 示談交渉を進める

性犯罪の裁判では、被害者との示談が処分に大きく影響します。

示談の流れ

弁護士が被害者と連絡を取る

被疑者本人が接触するとトラブルを招くため、弁護士が仲介します。

謝罪と賠償の提案

被害者の精神的苦痛を和らげるため、賠償金や謝罪文を用意します。

示談書の作成

示談内容を文書化し、法的効力を持たせます。

5. 再犯防止策を提示する

裁判で情状酌量を得るために、再犯防止の具体策を示します。

  • 性犯罪加害者向けの治療プログラムの受講
  • 心理カウンセリングの受診
  • 家族や社会的な支援体制の構築

不起訴や減刑を目指すためのポイント

1. 示談の成立

示談が成立した場合、被害者が寛大な処分を求める意向を示すことで、不起訴や減刑が期待できます。

2.犯罪を繰り返していないこと

初犯などの犯罪を繰り返していない場合であれば可能性が低いと言え、執行猶予や軽減判決を得やすくなります。

3. 反省の意を示す

反省文の提出や、更生のための取り組みを具体的に示すことが効果的です。

4. 事実認定を争う

被害者の証言だけでは有罪が立証できない場合、不起訴や無罪を求めて争います。

性犯罪での注意点

1. 事実確認を軽視しない

性犯罪の疑いをかけられた場合、適切な対応を怠ると不利な状況に陥る可能性があります。必ず弁護士と共に事実確認を進めましょう。

2. 被害者との直接接触を避ける

被害者に直接連絡を取ると、新たなトラブルを招く恐れがあります。弁護士を通じて対応します。

弁護士に依頼するメリット

1. 早期解決を目指せる

弁護士が早期に対応することで、不起訴や早期釈放の可能性を高めます。

2. 取り調べでの不利な供述を防ぐ

弁護士が取り調べ前後に適切なアドバイスを行い、不利な供述を防ぎます。

3. 示談交渉をスムーズに進める

弁護士が被害者との示談交渉を代理し、処分の軽減を目指します。

4. 裁判での適切な弁護活動

証拠を精査し、不利な証拠への反論や被告人に有利な主張を展開します。

当事務所のサポート内容

当事務所では、性犯罪における以下のサポートを提供しています。

提供サービス

  • 逮捕後の早期対応:取り調べへのアドバイスや釈放の申請を行います。
  • 証拠の精査と反論の準備:検察側の証拠を分析し、矛盾点を指摘します。
  • 被害者との示談交渉:示談を成立させ、不起訴や減刑を目指します。
  • 裁判での弁護活動:被告人の権利を守り、公正な裁判を実現します。

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