配偶者の不貞行為(浮気)は、精神的苦痛をもたらし、婚姻関係の破綻につながる重大な原因です。不貞行為を理由に離婚する場合、適切な証拠の収集や、慰謝料請求を含む法的手続きが重要です。
本記事では、不貞行為を理由に離婚する際の基本知識や具体的なポイントについて解説します。
このページの目次
不貞行為とは?
不貞行為とは、婚姻中の配偶者が第三者と性的関係を持つ行為を指します。
法律上、民法770条1項1号で「配偶者に不貞な行為があったとき」として離婚理由に該当します。
不貞行為とみなされるケース
- 異性との肉体関係(婚外性交渉)
- 継続的な不倫関係(性的関係を含む)
不貞行為とみなされない可能性があるケース
- デートやメールのやり取りだけ(肉体関係がない場合)
- 浮気の証拠が不十分な場合
不貞行為を理由に離婚するための準備
離婚を進めるには、証拠の収集や法的な準備が必要です。
1. 証拠の収集
不貞行為を証明するためには、確実な証拠を収集することが重要です。
有効な証拠の例
- 写真・動画:ラブホテルや宿泊施設への出入りを示すもの。
- メッセージのやり取り:LINEやメール、SNSのやり取り。
- 探偵の調査報告書:プロの探偵が収集した不貞の証拠。
- 日記や記録:配偶者の行動を日々記録したもの。
証拠収集の注意点
- 不法な手段(盗聴や無断侵入)は違法となり、証拠として認められません。
- プライバシー侵害にならない範囲で集めること。
2. 慰謝料請求の準備
不貞行為が原因で精神的苦痛を受けた場合、配偶者や不倫相手に慰謝料を請求できます。
慰謝料請求のポイント
- 請求先:配偶者、不倫相手、または両者。
- 金額の目安:
・不倫が短期間の場合:50万円~100万円。
・長期間や婚姻関係が破綻した場合:200万円~300万円以上。 - 時効:慰謝料請求は、不貞行為を知った日から3年以内に行う必要があります。
3. 離婚の形態を選ぶ
不貞行為を理由とする離婚は、以下の方法で進められます。
協議離婚
- 夫婦間で話し合い、不貞行為や慰謝料を含む条件を合意する方法。
調停離婚
- 話し合いが難しい場合、家庭裁判所で調停を申し立てて解決します。
裁判離婚
- 調停が不成立の場合、不貞行為を理由に裁判で離婚を求めます。
- 裁判では、不貞行為を証明するための証拠が必須です。
不貞行為による離婚の進め方
1. 話し合いによる解決
- 配偶者と冷静に話し合い、不貞行為を認めさせることができれば、協議離婚に進めます。
- 話し合いが感情的にこじれる場合は、弁護士に仲介を依頼することを検討しましょう。

2. 家庭裁判所での調停
- 協議がまとまらない場合、調停を申し立てます。
- 調停では、不貞行為の証拠を提出し、慰謝料や財産分与、親権などの条件について話し合います。

3. 裁判での解決
- 調停でも解決しない場合、裁判に進みます。
- 裁判では、不貞行為の証拠や精神的苦痛を受けた証拠を提出して争います。
不貞行為による離婚の注意点
1. 証拠が不十分だと離婚が認められない
裁判では、不貞行為を確実に証明する証拠が必要です。証拠が不足している場合、裁判所が離婚を認めない可能性があります。
2. 時効に注意する
慰謝料請求や離婚請求には時効があります。早めに専門家に相談して手続きを進めましょう。
3. 不倫相手への請求が難しい場合もある
不倫相手が配偶者の婚姻関係を知らなかった場合(既婚であることを隠していた場合)、慰謝料請求が認められないこともあります。
4. 子どもへの配慮を忘れない
不貞行為による離婚では、子どもが心理的な影響を受ける可能性があります。子どもの気持ちに配慮しつつ進めることが大切です。
弁護士に依頼するメリット
1. 証拠収集のサポート
弁護士が適切な方法で証拠を収集し、不法行為とならないようアドバイスします。
2. 慰謝料請求の代理
配偶者や不倫相手に対して慰謝料を請求する際、弁護士が交渉を代行します。
3. 感情的なトラブルを防ぐ
弁護士が間に入ることで、冷静かつスムーズに離婚手続きを進めることが可能です。
4. 裁判での適切な主張
裁判での証拠提出や法的主張を弁護士が代行し、有利な結果を目指します。
当事務所のサポート内容
当事務所では、不貞行為を理由とする離婚に関して以下のサービスを提供しています。
提供サービス
- 証拠収集のアドバイス:適切な証拠の収集方法をアドバイスします。
- 慰謝料請求の代理交渉:配偶者や不倫相手との交渉を代行します。
- 離婚調停・裁判の対応:家庭裁判所での調停や裁判手続きを全面的にサポートします。
- 子どもへの配慮を考えた解決:親権や養育費に関する取り決めもサポートします。